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改めて弁護士過疎偏在問題を考える 第2回

  • tanapirolawfirm
  • 2016年1月30日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年10月10日

こんにちは!田中ひろし法律事務所です。


最近のニュースで、ドローン落下による初の改正航空法違反というのがありました。



ドローンを規制する法律がなかったと言われてきましたが、この法改正によって規制内容がだんだん固まってきそうな気がします。ドローンについては、改めて本ブログに掲載したいと思います。


さて、今週も弁護士の過疎偏在の問題について考えてみたいと思っております。


医師不足の問題について、東北には医学部が少ないため、将来的に東北で勤務できるような医師を育てようと、医学部の新設がありました。



医師の数が厚生労働省の発表だと、30万人を超え、弁護士は日弁連の発表だと、3万6千人を超えているようです。

数字は概算ですが、弁護士の数は比較すると少ないようです。



第2回 医師が「少ない」、弁護士が「いない」 



<今回の内容>


1 そもそも「職場」に弁護士が「いない」

2 医師不足の実態

3 比較すべきポイント



1 そもそも「職場」に弁護士が「いない」


医師不足と比較する前に、弁護士はそもそもどういう地域に所属しているのでしょうか?

雑ないい方ですが、県庁所在地に集まっています。

もちろん、都道府県ごとに多い少ないはありますが、熊本でしたら、熊本市に多く集まっています。人口が多いから事件も多いだろうということもあるかと思いますが、もうひとつの理由に「裁判所がある」というのが挙げられます。


最近は予防法務や当事者間の示談など裁判所を介さない仕事もあるかと思いますが、刑事事件を含め、弁護士の「職場」はやっぱり裁判所です。


裁判所の組織体制については、また今度説明しますが、熊本だと、熊本地方裁判所が熊本市にあります。本庁ですね。そして、支部があります。八代支部や玉名支部など、熊本市の次に人口が多い地域ですね。


ともすれば、支部にも弁護士事務所が多くあるだろうと思われると思いますが、10年前までは、弁護士が「ひとりもいない」支部がありました。医師はあくまでも不足しているだけで、町や村に医師がいないところは少ないと思います。しかし、弁護士は地方裁判所の支部に弁護士がいないところがけっこうあったのです。


弁護士ゼロ地域を無くすことから、日弁連や地元も弁護士が取り組んできたようです。



2 医師不足の実態


医師不足の問題は、単純に数が少ないという問題ではありません。

弁護士と異なり、医師は専門性が分かれています。よく言われているのは、内科が数が多く、産婦人科が少ないとか。(実情は不明ですが、そのような発表が多くされている気がします。)


冒頭の東北地方の医師不足も、数の問題もあると思いますが、総じて特定の専門医不足が原因のように思えます。


九州地方はそこまで医師不足という感覚はないのですが、やはり離島や人口の少ない地域の医師の確保の問題はあります。しかし、車で1時間ほどである程度の規模の病院があるというところも多くありますので、なかなか問題が見えにくいとも言えます。


医師不足と比べて、弁護士はそもそもいないということがあったため、単純に数で比較できないものだといえます。



3 比較すべきポイント


ここまで考えてみますと、単純に「数」だけで比較することはできないのかな、と思ってきます。

弁護士ゼロ地域(あくまでも裁判所支部の地域)が、公設事務所開設によって解消してきましたが、裁判所の支部がない地域は多くあります。しかし、病院と同じように、車で1時間くらいいけば、弁護士事務所がある地域というのは多くなり、今まで以上にアクセスしやすくなっています。


数の問題だけでは、医師・弁護士両者ともなんとかなってきたのかな、と感じます。


前提として、人間だれでも病気になるし、ケガをすることもあります。社会的ニーズを考えると、医師が多いのはもっともです。


それに対して、人生で弁護士に相談することは、1回あるかないかという状況では、なかなか需要がないとも思われます。


今度医師や弁護士の不足を議論するうえで大事なのは、選択できる環境かどうかではないでしょうか?


弁護士としては、地域にひとり弁護士がいるからと言って、その地域のニーズを満たしているとは言えません。ネットで法律相談事例があふれている現状では、近くの弁護士より、東京の有名な弁護士に、というニーズもあるかと思います。


弁護士過疎地域の方々が、数だけでなく、選択肢がある程度あるかどうかが、医師不足と比較していくポイントだと考えます。


最後に、弁護士側も、専門性が出しにくいという現状があるとはいえ、「農業に明るい」「土地相続で過疎地域に飛び込む」「地域に支店を作る」など、市民に選択肢を増やしていくことが、「不足感」がなくなることにつながるのではと考えています。


弁護士過疎偏在問題(今後の予定)


第1回 これまでの日弁連の取り組み

第2回 医師が「少ない」、弁護士が「いない」

第3回 都心の過疎

第4回 地方の特殊性

第5回 自治体連携の可能性

投稿者 弁護士法人田中ひろし法律事務所

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