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即決裁判手続き

  • tanapirolawfirm
  • 2016年3月29日
  • 読了時間: 4分

更新日:2025年10月10日

こんにちは!田中ひろし法律事務所です。


ようやく桜が咲き始めたようで、来週からみごろになるのではないでしょうか?熊本の満開予想日は4月3日と言われています。

昔は、入学式に桜が満開だった記憶がありますが、最近は少しだけ早くなったような気がします。菜の花や彼岸花そして桜と、植物は季節をしっかり教えてくれますね。


さて、今回は産経新聞の記事を取り上げていきたいと思っています。


「即決裁判手続き」昨年最小 制度10年で最盛期の1割近くに



一般の方にはほとんど知られていないかもしれませんが、一連の司法改革時に納入された制度です。記事について、少し考えていきたいと思っています。


<今回の内容>


1 即決裁判手続きとは?

2 法曹三者の負担

3 制度の今後



1 即決裁判手続きとは?


 即決裁判手続きとは、産経新聞の記事だと、以下のように説明されています。


「覚醒剤使用などの薬物犯罪、窃盗や外国人の不法滞在などの初犯が対象で、判決には執行猶予が付く。起訴から判決まで原則14日以内で行われる。捜査段階で容疑者が罪を認めた場合に限り、検察官が必要に応じて手続き適用を裁判所に申し立てる。初公判で結審しその日のうちに判決も言い渡すが、被告側は事実誤認を理由に控訴できない。」


 刑事訴訟法の第350条の2以降に記載されています。比較的重くない犯罪事件で、判決まで非常にやはく手続きが終わることができる制度です。


 逮捕→取り調べ→起訴→公判→判決という刑事事件のながれで、2か月ぐらいかかります。被告人としては早く終わらせたいという気持ちはありますよね。執行猶予がつくのが前提ですので、刑務所に入ることはないので、なおさらです。


 即決裁判だと、起訴から判決までが14日以内なので、逮捕されてから、被疑者が弁護人と話し合い、手続きに入るまでに時間がかかるかもしれませんが、逮捕から1か月で判決言い渡しになりそうです。


 この制度の導入理由は、法曹三者の負担がこれで減るのでは?ということであったと、記事には書かれています。



2 法曹三者の負担


 法曹三者の負担、というのは同時期に導入された、裁判員制度に法曹三者の負担が増えるのではないか?ということです。


 確かに、裁判員にわかりやすく説明するためには、事前の準備が必要ですし、公判前整理手続きなどの時間的な負担が制度として増えたので、負担が予想されたのも理解できます。


 しかし、実際に行ってみると裁判員裁判自体に、法曹三者が慣れたのではないか?と予想されます。当初は、新制度で心理的時間的負担はあったかもしれませんが、裁判員裁判が定着し、流れが理解されているということだと思います。


 そして、即決裁判手続きも、本当に有罪立証が可能か?執行猶予前提でいいのか?など、手続きに入る時点での議論が必要であり、起訴までの時間は想定以上にかかっているのではないでしょうか?


 ただし、被告人の負担は、即決裁判手続きで軽くなっていると思います。



3 制度の今後


 個人的な意見としては、即決裁判手続き自体は、利用が減っているとはいえ、必要な制度だと思っています。

 それは法曹三者の負担という視点ではなく、被告人の負担を軽くするという点で必要だと思います。


 記事には、「甲南大法科大学院の渡辺修教授(刑事訴訟法)は『手続きの迅速化であれば、通常審理と即日判決で十分に対応可能だった。本人の改善更生にとってこの制度が有用なのか疑問。刑事政策上効果がなく、導入の意義はなかった。制度は廃れていくだろう』と厳しい見解を示している。」とあり、他の制度を考えることも必要だと思います。


 しかし、被告人の反省や改善更生という点については、通常審理で目的達成できるか?非常に疑問です。時間をかけた方が反省や更生できるというのは、あまり賛成できません。


 逮捕された時点で、深く反省している被疑者も多くいます。その被疑者をいたずらに刑事事件の手続きに縛るのは少し問題かなと思います。

 弁護人にとっても、選択肢は多いほうがいいので、即決裁判手続きは形や名称を変えても残ってくべき制度だと考えています。

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